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Les Confessions

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青木周蔵自伝を読んで

拍手ありがとうございます!

おひさしぶりです。ばたばたして忙しい日々。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

青木自伝、読み終わって4か月以上経過したけれど…今更ながら読了記念おえかき。
少し読書感想というか、読書メモなども。



木戸に随行しロシアへ行ったとき
深夜、木戸が青木の部屋を突然訪ねてきたエピソードが胸熱だった
“はわわ…大好きな木戸さん♡がわざわざ深夜に、このボクの部屋に訪ねてくるなんて♡♡” と
浮かれこけて自慢げに書き散らしていたのが青木の絶妙な気持ち悪さをいっそう引き立てていて面白い。
木戸への重すぎる愛情は自伝中各所でみられるが、中でも一線を画すエピソードのように思われる。
青木は、“わざわざ深夜に”と 自分と木戸の関係が親密な仲であることを強調したかった様子だが、この時期の木戸は極度の不眠症に悩まされており、眠れないからといって同僚部下後輩を深夜に訪ねては他人の睡眠を妨げるという一種の迷惑行為を繰り返していた。すなわち木戸は青木以外の人に対してもしばしば真夜中の特攻を繰り返していたのである(やめて)。その事実をおそらく青木は知らなかったのではないか。



長年のドイツ生活ですっかりドイツ贔屓になった青木。
文物はもちろん衣食住のすべてをドイツに倣い、帰国後もドイツ流の生活を押し通した彼だが、食べ物ことに酒はビールが世界一!と信じ切っていたようで、自伝にもその一文があり個人的に面白いと思ったので抜粋してみる。
(黒田開拓長官に一書を贈りて曰く、)将来、日本人も麦酒を嗜むに至るべく、又麦酒は日本酒よりは滋養分に富むを以て、其の醸造は国民の健康上有益の事業たるのみならず、或は麦酒を以て彼の多量の「アルコホール」分を含有せる狂水、即ち日本酒を退治するも亦一の好方便たるやも知るべからず。然るに麦酒醸造には多量の氷塊を要するも、目下東京に於て多量の製氷を得ること難きを以て、貴管内に於て麦酒醸造に着手せられては如何。殊に麦酒の醸造は其の原料たる大麦の耕作を促し、延て北海道開拓の一助たらん。

多量の「アルコホール」分を含有せる狂水、即ち日本酒!!

なんという言い様だろう。

こんな一文、日本酒の蔵元さんや日本酒ファンに知れたら怒られてしまいそうだが、青木の言い分はあながち誤りではなく当時ビタミンB不足により深刻な国民病であった脚気を治癒させる良手段として、ビタミンを多く含むビールの普及を挙げているものと思われる。
また、ビール醸造には多量の氷を要するため当時北海道開拓長官だった黒田に対し、流氷豊富な北海道でのビール醸造事業拡大を勧めている。寒冷な痩せた大地でも育つ大麦畑を拡大させることで北海道開拓にも一助となり、まさに一石二鳥というわけで、青木のすぐれた先見性の傍証となるエピソードだと思う。
青木自伝の面白さは、青木の他人への愛憎深さが極めて鮮烈に描き出されている点にある。

青木は非常に口が悪い。

なかでも伊藤博文に対する辛辣きわまる悪口の数々は読み手を驚嘆させる。
対して木戸孝允への深い尊敬と愛情は、一種異様なほどで、自伝中第二章(第四~第八回)の長きに渡り木戸との交友を記し、木戸の知己であることを自らの最大の誇りとしている。その狂気じみた執着、濃厚すぎる情愛もまた読み手をドン引きさせるに余りある。

上記の様に、彼の対人関係における好悪の極端さこそが、彼の強烈な性格に光彩陸離たる輝きを与えるとともに、その際立ったきもちわるさと政治家としての華々しい事績との対比が、彼のキャラクターに深みを与えている。


青木は後世の人から評価されることの少ない人物である。
彼の功績をあげるならば、政府要人の海外留学斡旋、ドイツのお雇い外国人の日本への誘致、伊藤博文との憲法調査、そしてとりわけ条約改正交渉(領事裁判権の撤廃)が大きいだろう。
この時代の外交官で、有名な者といえばだれもが陸奥宗光の名を挙げるところだが、
その陸奥を引き立て、指導し留学の面倒を見、外交官として育てたのは、ほかならぬ青木であった。

後年ふたりはライバルのような関係になってしまうが、日本外交史上燦然とかがやく陸奥の影で、青木は人知れず、日本が列強に伍する平等を勝ち得るための基盤を構築していた。

我々の平和は、青木のように、草葉の陰で努力したひとびとの上に成り立つものと、忘れてはならない。






omake

描きかけ途中で止めた墓場logより発掘

村塾の双璧(久坂・高杉)ラクガキ

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歴史絵

拍手ありがとうございます♡



桂太郎と青木周蔵って、木戸さんちに仲良く居候していたんだよね~
太郎は木戸さんに就職の世話してもらい、青木は木戸さんに留学の世話してもらい、
どこまでいっても木戸さんに甘え尽くす二人であった。
“権力は、利用して然るべし”的な主義のニコポンと青木ほんと憎めない
大先輩の家に転がり込むなんてほんとずうずうしくて大好きだよ


後年の木戸さんだんだん太・・じゃなくて、まろやかになってきてないか(写真
若い頃のキリリとりりしい木戸さんも良いけど、まろやか木戸さんも可愛いよ
大久保さんはもうちょっと栄養のあるもの食べてほしい


水木しげる風 井上馨・伊藤博文


毎度くだらないラクガキで失礼します。

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市が可愛いよっていう愛が止まらない漫画

お久しぶりです!拍手ありがとうございます



外見は童顔小柄でかわいらしくて
サツマもんからよかちご(美少年/BL要素)呼ばわりされていた市だけど
中身かなり雄(オス)み強いよね・・・そのギャップが大すき

けれど木戸の前だけ「ちゃんと」可愛く振舞う市なのであった

良すぎる・・かわいすぎる・・・

定期的に市かわいい愛が止まらなくなる病気を持ってます



適当らくがき市


ついでにミヨジも
伊東巳代治
容姿端麗、瀟洒な洋服に身をつつみ巧みな英語を使いこなし
高価な香水にダイヤのリングを身につけたりして めちゃくちゃおしゃれなくせに
趣味『盆栽』でそこだけジジイなのほんと可愛いんだけど?みよじ~~…





近況

コロナのワクチンを接種しましたー体調変化特に無く平穏無事に過ごせてます~
はやくみんなの元にもワクチンがいきわたるとよいな・・
というか早く収束してくれ。。たのむ・・海外旅行行きたいんじゃ・・


読んでる本 『青木周蔵自伝』
木戸への強い強い愛情が漏れ出ている愉快な本ですw
また感想絵?のようなものを描けると良いのですが(だいたいいつも有言不実行



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カミュ『ペスト』 不条理文学とは何ぞや

いまさら?と言われそうですが

アルベール・カミュの『ペスト』 読了

(フィリップにショタみ求めてしまい反省)
タルーーーー!!!!ああ…あああ…タルーーー…

あとがき読んでて カミュはこの作品の構想についてメルヴィルの『白鯨』からインスピレーションを得たと書いてあって、え、どのへんが?^^;ってなった

COVID-19の影響で本書の売れ行きが好調とのこと
ペストにより攪乱される人々も、現代とまた同じ。

感染による死の恐怖、隔離生活、
不安に苛まれ他人と寄り添い合いたいにも関わらず、触れ合えないというジレンマ
長く続く閉鎖生活から脱出しようと試みるひとびと
ペストにより変わってしまった社会構造、それを逆手にとって儲けようとする人々…
ああ今と同じー

本書が書かれたのは1940年代、車も電話もあり、ワクチンなど医療的技術もある程度
進歩しているが、それでも未治療の場合の致死率は60~90% なのだから怖ろしい

登場人物は、決して多くない 
1人1人のペストと“己”との闘いを、描いているように思った。


印象深かったのは、パヌルー神父 
教会での説話 “ペストは神の与えたもうた罰なのか?甘んじて受け入れるものか?”
その後のパヌルーのたどった末路・・これはフィリップの感染、そして死を見守ったパヌルーの“覚悟”と“結論”を反映させたのだろう。壮絶ながら、静かで神聖で、彼らしい最期だった。

それから、最も注目すべきであろう医師リウーとタルーとの交流…。
深夜、タルーがリウーに打ち明けた長い告白。
彼の生き様がこれまでどれほどの不条理に苛まれていたのか知るだに苦しい
(告白のあといきなり深夜の海水浴に行くのもナンカ良かったww(腐女子目線))
でもその後のタルーのことを思うと…;;
物語はペストが収束してハッピーエンドではない。
失ったものの大きさ尊さに比し、得られたものは、一体なにがあったのか?
それに関しカミュは以下のように書いていた。
しかし、彼、リウーは、いったい何を勝負にかちえたであろうか?
彼がかちえたところは、ただ、ペストを知ったこと、そしてそれを思い出すということ、友情を知ったこと、そしてそれを思い出すということ、愛情を知り、そしていつの日かそれを思い出すことになるということだけである。ペストと生とのかけにおいて、およそ人間がかちうることのできたものは、それは知識と記憶であった。おそらくはこれが、勝負に勝つとタルーの呼んでいたところのものなのだ!
ペストと生との賭けの中でカミュは人間の内面に肉薄し、その精神生活を精緻に描いていた。

我々現代人は、コロナと生との賭けにおいて何を失い、何を勝ち得るだろうか?
そして、勝ち得たものを腐らせず、何に活かせるのだろうか?
大いに考える必要があると思う。

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あけましておめでとうございます

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます~

今更感をひしひしと感じつつ描いた、年賀絵。


久坂義助(玄瑞)、高杉晋作、山田市之允(顕義)

お餅たべる久坂描けて満足。
久坂は、あの餅大食いエピソードから鑑みるに、たくさん食べても太らない体質だったんじゃなかろうか?(羨ましすぎる…
高身長だし、その体格を維持するためにはやはりカロリーがある程度必要だったのだろう。でも、ナン十個もお餅食べたらおなかこわしちゃうよwいや確かに若い頃は無限に食べられるけどさあ…


明治になって抜歯しまくる木戸さん いくらなんでも抜きすぎだろよ・・日記読んでて不安になるレベル
なんかヒルに血を吸わせる謎療法(瀉血)?とかしてるし どういう効果を狙って施術してもらってたのか日記に詳細は書かれていないが…本当にエビデンスあるのそれ…?と突っ込みたくなる
いち医療人の独り言でした。



青木周蔵と、エリザベート嬢 
当時の国際結婚て相当ハードル高かったろうに、見事にエリザベートちゃんのハートを盗んだ青木すごくないですか?プロイセン国の貴族令嬢だし、きっと両親には大いに反対されたろう
(普通の良識ある両親なら、場所も分からない極東の野蛮国のサムライとかいう青年に、大事な娘を嫁に出すわけがないでしょうから)
ちなみに、この結婚の仲人役を買って出たのが当時プロイセンに留学していた、ニコポン(桂太郎)であることを最近知って、へえええ~~!!さすが太郎!ほんとうに良いやつー♡大好き♡♡
と思ったのでした。
青木はそのお礼かどうか知らないが、ニコポンに対して、クラウセヴィッツの『戦争論』を翻訳してあげたり、留学の世話を色々と焼いてあげている模様。意外と仲の良い二人。






以下、正月休みに読んだ読書感想

ハーマン・メルヴィルの『白鯨』読了。





めいっぱいふざけて描いてます・・ごめん・・





恥ずかしながら、はっきりいって、アメリカ文学ってちょっとバカにしてた(すいません
んだけど、考えを改めました。

お世辞抜きで面白い。が、長い。
読み切る前に挫折する人が多いらしいが、さもありなん。
鯨学に関する知識をこれでもかと言うほど詰め込みまくってるのでストーリーが遅々として進まないし、さらに旧約聖書やヨブ記からの引用も多数あるので、この小説が多くの人から敬遠される理由もそのへんにあるのではないか?

ただ個人的には、さすがモームの選ぶ『世界の十大小説』の一つであると首肯するべき超大作だと思う。
鯨に纏わる蘊蓄もさることながら、ストーリーの面白さや、若き日のメルヴィルの体験した海洋上の冒険からくる体験談がこの上なくリアルで面白い!
そして、物語最終における白鯨との死闘・・・息を飲む展開、絶望・放心・祈り…色々な感情が一気に沸き上がり、たまらなかったです。

あと、キャラクターが個性的で本当に素敵なんだよね!!
エイハブ船長イケオジすぎて!彼のクレイジーさと、良心的なスターバック君の対比が面白い。
(そして以下、腐った女の偏見ですが)
クイークェグ、まじでかっこよすぎるんですけど? イシュメール、もはや “クィークェグのオンナ” じゃんwww会って即同衾したのほんと笑ったwwww
モーム(腐男子)がこの小説を高く評価するのは、本作の根底にただよう~~なんとなくホモ・セクシュアルっぽい~~空気があるからなのでは?(邪推ですが)

いや誰かほんと私に薄い本を提供してください…(だめか…だめよな


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自己紹介:
漫画・歴史・文学に無駄な情熱を浪費する可哀そうな腐女子。
趣味は文系、専攻は理系。文理両道目指してます。
近代史妄想が激しい。史実と虚実の混同注意報発令中。

:好きな政治(思想)家:
吉田松陰、大久保利通、木戸孝允、山田顕義、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、伊東巳代治、勝海舟、福澤諭吉、浜口雄幸

:好きな文士:
トーマス・マン、ドストエフスキー、ボードレール、アナトール・フランス、夏目漱石、正岡子規、森鴎外、泉鏡花、徳富蘆花、芥川龍之介、三島由紀夫、寺田寅彦、中勘助、太宰治、織田作之助、司馬遼太郎、滝沢馬琴

:人生の聖典:
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