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酒を飲めば二重人格



ある日、長州人と薩摩人が入り乱れて酒宴をもよおしておりました。
なかでも著しい酔態を呈しているのは…薩摩人の黒田清隆(わが国で二代目の総理大臣です が、このころは了介という、二才(にせ)どん(若者)でした。)

いつもは物静かでやさしい黒田さんですが、実はかなりの酒豪で、その上、酒乱なのです。救いがたいアルコール性痴呆症なのです。

黒田「うお~~っ酒もってこんか~!!俺(おい)はまだまだ飲めっどー!!」

あまりの見苦しさに木戸さん(桂さん)は美しい眉をひそめて注意します。
木戸「黒田さん…いい加減でもうおよしなさい。危険ですよ」

黒田「そう言う木戸さァ(さん)は、そげん少量しか飲まんでは国家の大事はでけもはん(できない)!!酒を畏れて恐々とするは、卑怯でごわンど!」

木戸「しかし、君ね…(あ~やだやだ。これだからサツマ人は…ガサツで野蛮で大嫌いだ!)」

木戸さんはかつて、京都の政変とか禁門の変とか薩長同盟とかその他諸々の時に薩摩にギャフンと言わされっぱなしだったので、いつしか薩摩人のことを信用できない体質になってしまったのでした。
明治になっても「西郷は信用できない」と言い続けて、ともに維新の偉業を成し遂げてきた西郷隆盛を妙に敵対視するのでした。…

黒田「そいどん、美形の木戸さァはヨカ二才どんのごたる。…うひひ、こっち来て酌してたもはンかいv」

木戸「(・・・ムカッ)……なれなれしく触るなぁー!!!」

嗚呼なんとゆーことでしょう(棒読み)。
黒田さんが木戸さんにからみついたその瞬間、木戸さんの堪忍袋の緒が切れてしまいました。そして衆目の集まるなかで、華麗な背負い投げをキメてしまったのです!

遠巻きに見てた人たちは一様に嘆息しつつ、
『……木戸さんって…ムシャがよか(かっこいい)~』と思ったのでした☆




薩摩ことばが解りません適当です;;あれは日本語じゃないよorz orz

これは黒田エピソードの中でもかなり有名ではないでしょうか
私はこの逸話を読んだとき、「あのやさしくて物静かな木戸さんが黒田を投げ飛ばしたなんて?!(爆笑)」と吃驚したのですが、よく考えたら木戸さんって…練兵館の塾頭で江戸きっての剣豪=超・体育会系のアニキなんですよねー!(ともすれば忘れそうになる。)
といっても木戸さんは明倫館(学校)では成績優秀でしたし、わりと何でもソツなくこなす人ですよ…すてきv


ちなみに黒田の酒乱エピソードはまだまだあります。

同僚の伊藤博文や井上馨…どころか上司であるはずの岩倉具視でさえ乱酔中の黒田から罵倒されたりピストルで脅されたり

泥酔のさなか、刀剣屋が刀を売りに来た、とすれば黒田は「名刀かどうか、使ってみなきゃ解らん!」と言うが早いか庭に躍り出て、商品の刀で古株を斬り付けた。刀身はボキリと折れ、勢いよく黒田の肩を傷つけた。
「どうだ、これで解ったろう」
と流血ドクドク血まみれの黒田の言葉は、刀剣屋には悪魔の捨て台詞のように聞こえたことでしょう。

そして最大の悲劇…なんと黒田は泥酔して帰宅した後ささいな口論の果てに最愛の奥様を斬殺してしまうのです…(笑えない)
普段はおしどり夫婦で有名だったのに、黒田清隆が夫人をあやめたこの事件は凄惨としか言いようがありません。
まったくもってアルコールには恐るべき魔力があります。過ぎたるは尚及ばざるが如し。
みなさんお酒はホドホドにしましょう…ね(^^;

余談ですが黒田夫人の一件は、先輩である大久保利通さんがウヤムヤにして事件をもみ消しました。職権濫用といえなくもない・・・w木戸さんといい大久保さんといい、同郷の後輩に甘すぎるのが、欠点ともいえるけれどなんとも愛しい性質です。

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漫画・歴史・文学に無駄な情熱を浪費する可哀そうな腐女子。
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