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当たって死ぬだけ。

中江兆民の「三酔人経綸問答」を読了


紳士君がやかましく軍備の撤廃・完全武装解除を叫んでいます。

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豪傑君これにさからって問う「じゃあ、もし狂暴な国があって、わが国が兵備を撤廃したときに乗じて攻め入ってきたらどうするんだよ?」
紳士君答えていわく「弾に当たって死ぬだけさ!」


なん…?!(^^)自由民権どころじゃない;国滅ぼす気か

紳士君て、理知的で道理にかなったこと言ってるようで、サラッと剣呑極まる発言もしてくれますねw

「三酔人~」は政治問答といっても所詮は酔っ払いの会話なので、3人とも無茶ばっかり好き放題言ってます。
兆民先生、この本を上梓するとき政府に目をつけられ発禁処分になるのを恐れて、あえて「酔っ払い」をキャラクターにしたんじゃないかしら。
酔っ払いなら何言っても赦されそう(←そうなのか?)

ところで中江兆民はかなり愉快な御仁だと解りました。
もともと政府の役人だったのですね。大久保利通・木戸孝允らとともに岩倉使節団に随行してる

しかし自由民主制度を認めようとしない明治政府に愛想をつかして、みずから野に下ってしまうのです。
このときの辞表
「アルコール中毒になったんで辞めます」みたいなこと書いて…?意味不明(^^)アル中理由に仕事辞められるんでしょうか。

あっちなみに岩波書店から出てる「三酔人~」は総ルビ書き下しで現代語訳付という、これ以上の親切は望めない内容の本らしいですから、漢文苦手な方でもサラッと読めますよ。
でも、本当は漢文で読んだほうがいいです絶対に!!
思ったより難しくなくて結局漢和辞典とか必要なかった
会話の内容が面白いのに加えて、漢文の構成の素晴らしさ(リズムや韻など)にもまた感動…!
三酔人の魅力はこの漢文にあると言っても良いでしょう。
幸徳秋水が「文士としての兆民先生」で言わんとしてたことが、改めて諒解せられたような心持がいたします。

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