読了したのはもう何年も前になるんですが
描いてしまったんで記事にしときます。
絵は、お蔦(つた)さん

『切れろの別れろのツて
そんな事は芸者の時に云ふものよ。
私にや死ねと云つて下さい。
蔦(つた)には枯れろ、とおつしゃいましな。』
↑は同棲までした恋人・早瀬主税(主人公)から絶縁を言い渡されたとき、お蔦さんが早瀬に言い放つ有名な台詞なんですが
実はこれ、原作にないんですよ。
ましてや二人の別れの場面として知られる『湯島の白梅』など
ちっとも出てきません。
この作品は演劇の世界で大人気を博し、それに伴いシナリオが原作を離れて一人歩きを始めたのですね。
物語は多分に劇作的で
(後半の早瀬主税のピカレスク的な活躍はやりすぎ感いなめないけど)
読んでいて単純に“面白い”です。
そのため演劇への移植がスムーズに進み 世間の人々に広く知られることとなったのでしょうね。
明治の文豪 泉鏡花の作品。
余談ですが、作中 酒井先生(早瀬の師匠)が早瀬に向かって
『俺を棄てるか、婦を棄てるか』と
芸者あがりのお蔦と別れるように迫ったシーン。。。
実はこれ、ノンフィクションだったりします。
つまり、泉鏡花自身の身の上話なんですねーこれ。
(泉鏡花は昔、神楽坂芸者の すずさんと付き合っていて、
それを快く思わない 鏡花の師匠である尾崎紅葉が、2人の別れを強要した・・・という話。)

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