泉鏡花の作品について前から書きたいと思っていながら
なかなか書けなかったのは私の泉鏡花に対する考えが頭の中で混沌と渦巻いて
整理つかなかったためです;未だに整理つかない・・・思うところが多すぎる。
今回はさらりと浅く書いておきますが
いつか改めて書けたらな~、と思います。
これは去年、き~ずの4板で描いた絵
『高野聖』幻想文学の定義はいまだによく解りませんが(汗)泉鏡花の小説は本当に大好きで、一時期むさぼるように読みました。
絵は『高野聖』だけど、問答無用で最愛なのが
『化鳥』 あざやかすぎるッ・・!!!修辞学だの美辞学だのに興味薄かった私に、レトリックのおもしろさを教えてくれたのは泉鏡花です。
『婦系図』ですが、これ私はなかなかに好きなんだけれども、世間的な評価はいまいちのようですね。谷崎潤一郎も渋い顔してた;
っていうか、これはピカレスク小説といって良いものなのか・・?疑問
ところで泉鏡花その人に関する逸話は奇譚が多くておもしろい!!!
青空文庫でも泉鏡花について回想録が多く収載されているようですよ。
これ随分ふるい絵で載せるの恥ずかしいんですが;紹介したいエピソードなので勇を鼓して

大食漢で美食家でゲテモノ食いもOKな谷崎潤一郎と
潔癖症のバイキン嫌いで煮沸消毒魔の泉鏡花が2人で鶏ナベ囲んだときの話。
肉が煮えてコチコチになるまで箸を出そうとしない鏡花と、生煮の肉をぺろぺろとたいらげる谷崎潤一郎は、見事なコントラストだったそうな。
鏡花はネギか何かの具でナベの中に境界線をこさえて、「こっちから手前は自分の領土だ!」と宣言し、辛うじて数切れの肉にありつけたという。
谷崎もさることながら泉鏡花は変人の中の変人!キング・オブ・変人で、彼の奇妙な性癖は300以上も現代までの語り草になっています。
例に挙げると
・神仏には必ず眼鏡をはずして礼拝
・雷こわい。雷が鳴ると季節に関係なく蚊帳の中に飛び込む。
・犬こわい。移動のときは短距離でも屈強な車屋を呼ぼうとする。
・狂犬病についてマニアのように調べまくった、結果、医者よりも詳しくなった
・バイキン大嫌い。なんでも煮沸消毒しないと気がすまない。
・キムラヤのパン大好き。だけど指でつまんだとこは食べずに捨てる。
・沸騰した酒飲んだ
・宝丹(胃薬)を常備してる
・中華料理を食べに行ったとき、カエルのから揚げをそれと知らずにムシャムシャ食べ、あとで知らされて、慌てふためいて宝丹を一袋まるまる飲んでしまった。「とんだことをした」といって蒼くなっていたそうな(笑)
・・・・・などなど!!
本当に奇妙キテレツな小説家で、彼の変人っぷりにかなう人は今までみたことがないww
