
長かった日露戦争も終焉を向かえ、明治政府に平和なクリスマスがやってきました。
桂太郎 「
『総理大臣が閣僚の家庭を訪問してプレゼントを配ろう企画』ぅ~??ハッ、いみわかんね。戦争賠償金が貰えなかったのに、なんでわざわざこんな金かかることしなきゃならないのさ!」
児玉 「まぁいいじゃないですか。俺も手伝うし…」
桂太郎 「そういうコダマは何がほしいわけ?(…もしかして、まだ総理大臣職を狙ってたりする?)」
児玉 「え、うーん…俺はこのままでいいや」
桂太郎 「ふーん…無欲だねえ。変なやつ」
※児玉源太郎はいっとき桂太郎の後釜で宰相の座を狙った事があったのですが、桂太郎の総理大臣辞職はすべて彼の一人芝居だったことに気付き、ボーゼンとなります。(要するに桂太郎の辞職は見せかけで、児玉はそれに踊らされていただけ。)
いらい児玉は総理大臣になりたいなどという野心を、一切捨ててしまったのでした。
「俺は生涯、ナンバー2でよいのだ」…これは児玉なりの悲しい哲学なのでした。
手際よくプレゼントを配る二人。
途中、後藤新平に「満州鉄道初代総裁」というプレゼントをやるか否かで多少モメましたが、そのへんは児玉が妥協することで解決。
ついに残すところあと一人になりました。最後の一人は…陸軍元帥、元勲であり元老である国家権力の象徴、山県有朋閣下です。
桂太郎 「ついに閣下のお屋敷に…(ハァハァ)」
児玉 「シッ!起きちまいますよ。…しかしこの人、俺たちがプレゼントしなくても、望むものなら何でも手に入るじゃん。あ、枕元に何か置いてある…えーと何なに。
『サンタへ 政党政治 くたばれ ヤマガタ』」
桂太郎 「!!!がーんがーんがーん……」
児玉 「これ希望っていうより命令だな。どうします?桂さん」
桂太郎 「ムリだぁあ~~!せ、せっかく陸軍を脱却してこれからは政治一筋でいこうと思っていたのにっ!閣下はぼくのことが嫌いになられたのですか?!」
児玉 「しーっ!大声で騒がないで…!」
桂太郎 「閣下のバカぁ~!(大泣)」
この後、桂太郎は山県有朋の意向に背き新党結成、政党政治をやろうとしたためヤマガタ閣下から大いにきらわれ、陸海軍のストライキで第二次・第三次桂太郎内閣は瓦解します。(これがいわゆる大正の政変です。)
第三次桂内閣の総辞職を、山県有朋は
「雪隠(トイレ)で首をくくったように」みじめな敗退だ、と側近に語ったそうな…。
最初っから最後まで、とことん苦労が報われない桂太郎なのでした。

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