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醒めた炎 ── 木戸孝允命日

どうも一週間ぶり。絵が描けなくてごめんなさい。ちょっと忙しくて…

京都の霊山護国神社にある木戸さんのお墓です。
(何年か前、京都で幕末維新スポット網羅したんです。実にオタクだ。)
内閣顧問勲一等贈正二位木戸孝允 という字が見えるでしょうか?
隣には松ちゃん(幾松さん。結婚後は木戸松子さん)のお墓もありました。

そーえば私生活面で松ちゃんの役者(男)遊びを諌めることもせずしらんぷりしてたそうですが、木戸公それは優しさからなのか夫婦仲冷めてただけなのかどっちなんですか。でもこの2人にはそれ以上に「かつて(幕末のころ)互いの命を支えあった」という強い連帯感があるのだろう。



私は維新前の桂小五郎さんも維新後の木戸孝允さんも、どちらも好きなんですが、明治以降の木戸さんは持ち前の憂鬱症に拍車がかかって、幕末時代のそれ以上に悲壮さを醸し出している点でとても可憐で大好きです。

特に大久保利通から執拗な嫌がらせを受けていたり、((明治政府内ではちょっとシカトされぎみ?))な木戸さんは真実痛ましいです。
いや、木戸さんの日記(過去記事)にはね、仕事場の不満がズラズラと(というか大久保その他への愚痴不満がズラズラと)並べ立てられているんですが、少し見方を変えればそれは職場になじめず同僚への不満から鬱々と陰口たたいてる寂しいOLの日記 のように読み取れます…。
OL…そう、ここなんだよね、木戸さんには一貫して女性的なイメージがあるのは、たぶん例の日記+司馬遼太郎の小説のせいなんだと思う。

司馬設定の木戸孝允て
<女性のように華麗・上品・小柄で均整のとれた体格・スマート&エリート・怜悧で聡明で開明的・生真面目・あまり笑わない・ちょっと根に持ちやすい>

プラス、女性的な細やかさで山県有朋とか井上馨とか後輩の汚職グループを擁護したのも(母性本能?

でも実際は(史実では)木戸さんってどういう人なの、という話になると必ずしもいわゆる『司馬史観』はアテにならないんだよ!だって木戸さんは美形ではあったけれど小柄じゃなくむしろ当時としては長身で…一説によると五尺八寸(174cm) これは坂本竜馬とおなじくらいじゃなかったかな。大久保利通よりは低いですが。大久保利通はちなみに「鴨居におでこをぶつけるほど」(by大久保利通の妹の話)長身だったそうです。
それから生真面目であまり笑わないとかいうのも司馬設定的木戸さんの特徴ですが、史実木戸さんはけっこうよく笑う人だったらしいし…たしか青木周蔵宛て書簡でニワトリの鳴きマネするとかいう謎ギャグを飛ばしていましたし、それなりにユーモアを解する人だったんでしょう。司馬遼太郎が何をもって木戸さんに「僕は冗談が嫌いだ」うろby『竜馬がゆく』と言わせたのかよく解りません。

手クセの悪い後輩たち(長州汚職閥)を擁護したのも、母性的な世話好きさと見れなくもないんですが…
長州汚職閥を弾劾して井上馨や山形有朋を政局から叩き出そうと目論む江藤新平(肥前閥トップのツンデレ司法卿)を、薩摩閥の巨魁である大久保利通もろともブッつぶそうとする、長州のドンとしての木戸孝允の攻撃的性格の現われ
と見ることができます。

…あ、なんだか自分で書いておきながら、木戸さんに申し訳なくなってきました;;

私はほんとに木戸ファンなのか…?


司馬 遼太郎 / 文藝春秋(2002/04)
Amazonランキング:114049位
Amazonおすすめ度:



明治政府小説。全十巻。
5巻は大阪会議があるので何度も読んじゃうだよねえ(…)

「大久保に待受けられ、直に突入、是には随分困り申し候…例のねばりづよく…」
のコメントに爆笑。

(木戸の大久保への感情は)もはや焦げ臭いところまで来ている」という司馬評は正鵠を射ていると思います。萌えます。

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漫画・歴史・文学に無駄な情熱を浪費する可哀そうな腐女子。
趣味は文系、専攻は理系。文理両道目指してます。
近代史妄想が激しい。史実と虚実の混同注意報発令中。

:好きな政治(思想)家:
吉田松陰、大久保利通、木戸孝允、山田顕義、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、伊東巳代治、勝海舟、福澤諭吉、浜口雄幸

:好きな文士:
トーマス・マン、ドストエフスキー、ボードレール、アナトール・フランス、夏目漱石、正岡子規、森鴎外、泉鏡花、徳富蘆花、芥川龍之介、三島由紀夫、寺田寅彦、中勘助、太宰治、織田作之助、司馬遼太郎、滝沢馬琴

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