…村塾ファンのあいだでは有名?な、高杉晋作→久坂玄瑞あての、例の恥ずかしい手紙w
私はこの手紙を読んで、双璧萌えに目覚めたといっても過言ではない。
この書簡たぶんほかのサイトさんでも見たことがあるので、いまさらココに載せるのもなんかなあ…と思ったんだけど、ここさいきん幕末明治熱すごいので自分ブログにもMEMOしとこうと思いますぅ↓↓
以下、高杉の書簡の文章を抜粋。(自分のためのメモなので適当に改行、ルビ打、書き下し一部あり)にしても長い手紙…。いちおう意訳付けます(自己流なので間違ってるかも)
出典↓
高杉晋作の手紙 (日本手紙叢書)別して後、御起居如何、且つ御病気如何、御様子承りたくござ候。僕儀も区々食粟居り候間、はばかりながら、御休意希い奉り候。のぶれば御地の様子一つも知れ申さず、なおまた来翰ござなく候、少々不平の至りにござ候。僕は貴兄、江戸にあるの節といえども、格別ついしょうも申さず、御賓挙も余り申し上げず候えども、心中には僕はとても及ばぬこれ頼むべき人と思い、兄弟の盟をも致したくとしょせん思い居り候えども、これまで遂に口外仕らず居り候。僕も一人の兄弟もござなく、常に心細く思い居り候くらいにござ候。それ故この節も読書などに倦み候節、天下の事を案じ、或いは御国の事は如何んなったかと思い候節、貴兄の顔が目前に看(み)ゆるようにござ候。何とぞ愚鈍の心胆、御推察願い奉り候。僕もこの節は学問の面目を大いに変じ申し候。これまで看つけ候学も馬鹿の事だと気がつき申し候。僕儀この節、相考え候に、僕愚鈍といえども、文章家となり、著述を致し天下の書生に名を知られんの、経学を致し黙言持重空論を以って人をだましたいの、博学になり天下の俗物に名を知(ら)れたいのと申すかしこがりはもうと(毛頭)仕りたくござなく候。なにとぞすこしなりとも御主人様の御ために相成り候学問仕りたしと日夜思慮仕り候。しかれども外に格別の案じ事もござなく候。貴兄などの御勧めに相成り候経済どもより外は格別にござなく(候)らわんと相考え候。何とぞ御国の兵制相立ち候ようにと勉強仕り居り候。赤川直次郎の申し候加藤有隣へなりともまかりこすべしと相考え居り候。○杉蔵入獄、憐(あわれ)むべく、恥ずべし、弟もまた英傑恐るべく、愛すべし、弟の入京の議論、誰かあずかり候ものござなく候や気遣い申し候。○清水浪人先生来萩の由、いずれはやく何処か在向へ引きこもるよろしからんかと愚察奉り候。○栄太郎如何、富永の噂の一つもござなきがこれまた如何。○松下塾は如何相成り候や承りたく候。○貴兄は松下に御出でか承りたく候。萩表事実丸々承りたく候。○桂など如何。○中谷もこの度の一件は骨を折り候一番槍と相考え候。起居如何。○中村道太・赤川直・松島など御交わりなされ候や否や承りたく候。○半井如何。○この節、何を御勉強か承りたく候。○前田氏は少々有志の士の由喜ぶべし。○御遊歴は如何。○ここもと形勢先ずおかしなものにござ候。京師への七関を建つるにくむべし。○松下先生、獄にて如何の状態かくわしく承りたくござ候、日夜思い出し落涙仕り候。○天下の議論如何と思し召しか承りたく候。○のぶれば、僕朋友たいがい罪を蒙らん者ござなく候が、僕独不罪は、僕が姦物か馬鹿か御観定下され候よう必ず願い奉り候。余は後便申しのぶべく候。拝 四月朔日 晋作春風二白、幾重も御病気御用心専一の儀存じ奉り候。杉梅三郎(ママ 杉梅太郎)、よろしく御伝声願い奉り候。口羽徳祐君亦しかり、僕もこの節だいぶん気が盛んに相成り、随分仰せ越され候えば何なりとも致すべく候。 玄 瑞 兄 呈足下
◆大意◆(本文のみ)
別れてのち、どうされていますか。また御病気はどうですか?御様子うかがいたいです。
僕も細々と暮らしている身ですが、はばかりながら休みを取りたいと思っています。
国もと(萩)の様子がひとつも伝わってきていません。また(君からの)手紙も来ないのは、少々不平の至りです。
僕は君が江戸にいたときも、格別、追従も言わないし誉めそやすことなんて無かったけれど、実は心の中では君のこと、僕の及ばない人だ、頼るべき人だと思って、義兄弟の約束を結びたいくらいに思っています。けれども、これまでついに口に出して言うことができませんでした。
僕には兄弟が一人もいないので、いつも心細いのです。だから読書に飽きたときとか、天下のことを案じているときとか、国もとのことを考えたときなどは、君の顔が、思わず目の前に浮かんできてしまうのです。僕の愚かな心境を察してください。
僕もこのごろは学問に対する考えを改めました。今まで学んだ学問は、バカのやる事だと気が付いたのです。このごろ考えたのですが、僕は愚鈍といっても、文章家になって本を書き天下の書生に名を知られたいとか、経学をして空論で他人を騙したいとか、博学になって世間の俗物に名を知られたいとか、そんな賢がりは毛頭するつもりはありません。
ちょっとでも御主人(藩主)様のお役に立てるような学問をしたいと日夜考えています。君がすすめてくれた経済(=「経国済民」、すなわち政治のこと)のほかは特に勉強していません。国の兵制を立たせられるようにと勉強しています。何かアドバイスあれば早めに仰ってください。赤川直次郎の言っていた加藤有隣のところにでも行ってみようかと考えています。
あとは、箇条書で延々、質問ぜめが続きます。
やれ、榮太郎はどうなったかだの、入江杉蔵(九一)のことだの、桂さんはどうしてるかだの、萩の様子を漏れなく伝えろだの、獄中に入れられた松陰先生がどんな御様子だ、だの・・・
晋作、聞きすぎ(笑)
久坂この手紙もらって、苦笑い・・・でしたでしょうね。
高杉ほどの傲岸不遜な、プライドの高い人が、久坂にはこんなメロメロな書簡を寄越すなんて・・・と考えるとほんとに萌えが止まらんとです。

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