
・・・ハァ、ハァはぁ!!
興奮しすぎて指が入ってしまったハァ
ううっこれが五千円ぶんの重み!!否、木戸公の人生の重み!!
ああ、木戸さんッ・ハァハァ
上巻が712頁、下巻が811頁と相成ります。総千五百二十三頁。本当に重い
村松 剛 / 中央公論社(1987/07)
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木戸孝允(又の名を桂小五郎)の生涯をこれでもかというほど詳しく調べ上げ、客観的な観察眼で以って分析し、淡々と書き上げた素晴らしい歴史小説・・・小説というより歴史書と言った方が適当かも知れません。
公使ロッシュの報告や幾松の恋文など木戸関連文書を多く収載しており、史料としての価値がずば抜けて高いので。
「逃げの小五郎」などと木戸さんに対する世間の評価が冷淡な気が致します・・
司馬氏の小説などでも扱いがぞんざいですし
木戸さんほどかまびすしく「人民人民」と騒いでいた人民大好き男は
明治政府(初期)に果たして居たでしょうか、居なかったと思います。
ここ最近読了しました
『謀叛論(草稿)』 (徳富蘆花)に木戸さんの話題に触れている箇所がありましたので
折も良いことですし、ここに引用させて頂こう
明治の初年木戸は陛下の御前、三条、岩倉以下卿相(けいしょう)列座の中で、面を正して陛下に向い、今後の日本は従来の日本と同じからず、すでに外国には君王を廃して共和政治を布(し)きたる国も候、よくよく御注意遊ばさるべくと凜然(りんぜん)として言上(ごんじょう)し、陛下も悚然(しょうぜん)として御容(おんかたち)をあらため、列座の卿相皆色を失ったということである。というふうに
天皇陛下に恐れ多い事を具申し奉るなど無茶(当時は)をするのも
ひとえに維新で多く失われた人命と新時代の日本人の為を憂えての事で
木戸さんの一貫して民主主義を主張する姿勢には私もたいへん深く感動しました。
この『醒めた炎』を読むまでは司馬小説の為にあまり印象良くなかったんですけどね。木戸さんに対して。
因みに菊池寛賞受賞作です。
上巻の『癸丑の年』(ペリー来航のことですね)から下巻の『版籍奉還』まで木戸さんの人生をすべて綴った超大作・超力作で長州ファンなら是非是非是非に読まないとなりません!
これを読んだら木戸ファンになること間違いなしですから…!
意に余って言葉足らずですが一等好きな木戸さん(桂さん)主人公の時代小説なのです!

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