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ワイマルのロッテ

感化されやすかった我が高校時代、『魔の山』を読んでいらい
かねてよりトーマス・マン信者であることを明言してまいりましたが
『ワイマルのロッテ』は未読だったのです。書店になくてorz(絶版・・)

でも最近“Amazonでかいものをする”というスキルを身に付けたため(遅い) 購入しちゃいました……(*ノノ)

ということで、読書感想です。『ワイマルのロッテ』


『若きウェルテルの悩み』より
ピンクの飾りリボンがかわゆいシャルロッテたんと、シャルロッテが大好きで仕方ないウェルテル君

えー…まずはじめに、この作品が、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』の、ある意味パロディ本(?)であることを知っていなければなりません。

(この小説もかれこれ10年ほど前に読んだんですが、その当時は恋愛の懊悩とか悲恋とかハッキリゆって興味なかったんで、イマイチ記憶に残っておりません(汗)再読しなきゃねv)

ちょっと説明が複雑になっちゃいますが…

…『若きウェルテル~』はゲーテにとって青年時代の自らの恋愛模様を描いた私小説です。つまり。小説のなかでウェルテル=ゲーテであり、ヒロインのシャルロッテは、青年ゲーテが出会って恋をした、実在の人物です。

次に、トーマス・マンの『ワイマルのロッテ』ですが、これは『ウェルテル』執筆から44年後のワイマルに住むゲーテじいさんと、ワイマルを訪問したシャルロッテばあさんの話です。

『若きウェルテル』で悲恋を経験し いとしいシャルロッテと決別したウェルテル(=ゲーテ)が、かつて片想いしたシャルロッテと、44年ぶりに再会する、…という内容。

トーマス・マンはなんでこの小説を書こうと思ったのか、というと

ゲーテの日記の中に、“シャルロッテとの再会”を見つけたからでした。
それはきわめて簡素で、なんの感慨もなくつづられた淡々とした日記でしたが

トーマス・マンはこの、たった1日の日記の内容に注意を払い、2冊仕立ての長大な小説にしてしまったのです。
…やっぱ★すげえよなあ★マンって、いつも思うのだが目の付けどころが常識を超越しているというか…

トーマス・マンは天才です (←もう何度言ったか解らない)

この小説は、マンの長編小説らしくペダンチズムにあふれているんだけど、さりげなく、トーマス・マンはWW2におけるドイツという国、そしてその国民性を、批判しているようにも思われました。
というのもマンは(おそらく)ゲーテを、ヒトラーに重ねているようなフシがあると思われ。。

ゲーテのあまりにも偉大すぎる魂が多くの人々を引きつけるものの、その魂が自由奔放すぎるために生じる弊害も並大抵ではないことを、愛情を持ちつつ、しかし批判的に書いているのです。

トーマス・マンは熱心なゲーテ研究家だったし、彼自身ゲーテを崇拝していたし、ファンだったけど

マンの描く“ゲーテ”像は、神々しく理知的でお茶目で洗練されていて、
しかし一方では高慢で、狷介で、視野の狭い、ひとりの老人なのでした。


 

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漫画・歴史・文学に無駄な情熱を浪費する可哀そうな腐女子。
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トーマス・マン、ドストエフスキー、ボードレール、アナトール・フランス、夏目漱石、正岡子規、森鴎外、泉鏡花、徳富蘆花、芥川龍之介、三島由紀夫、寺田寅彦、中勘助、太宰治、織田作之助、司馬遼太郎、滝沢馬琴

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